2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

■二つのテクストが小さな、しかし公の場に放たれました。 log osaka web magazineに「文化的誤植を注視せよ!−−空白とは」が、美術批評誌LRリターンズ06号に連載『ここで、ものを、みるということ。(2) トーマス・ヒルシュホーン〈Utopia, Utopia=One W…

■最近、僕的にはワシントンD.C.熱が高まってきた。昨日、ボストンの古本屋で、現在開催中のナショナル・ギャラリー「プロヴァンスのセザンヌ」のカタログを手に入れてしまったからだ。今行けばアーサー・M. サックラー美術館の「北斎」展も観れる。すこし離…

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■多くの人に同意してもらえると思うのだが、旅行などでたくさんの作品を一度に見ると、そのほとんどをすぐに忘れてしまう。なんらかのきっかけで思い出すという事はよくあるとしても、だ。その場で作品を撮った写真のよいところは、その時の視線が文字通りに…

■一週間ほど前に大学の仕事に一区切りつけ、それからは毎日ボストンとニューヨークの美術館などをじっくり観て回っていた。本を読まず、作品の前でのみ何かを考える、という時間をまとまってとる事が出来、満足。備忘録として、とりあえずその間のスケジュー…

■アーティストの奥村雄樹さんがレジデンス先であるlocation oneのプログラムの一環としてMITに見学に来ていて、その後会って家に泊まってもらう。一年くらい前に僕の展示に関して「美術手帖」に書いてもらったので知り合っていた。なんか熱心に見てる人がい…

■ようやく届いたジジェクの"Parallax View"をパラパラ読み始める。翻訳する元気はないし、図書館の閉館(23時)も迫っているので気になったとこを少し抜粋。 "it is at the very point at which a pure difference emerges, but a minimal difference whic…

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■金曜日からニューヨークへ行き三日間で、Whitney Biennial 2006, Armory Show, ラウシェンバーグ展(メトロポリタン美術館),DIVA(Digital & Video Art Fair), David Smith(グッゲンハイム美術館)を観る。特にMETでの"Robert Rauschenberg: Combines"に…

■大学のライブラリーにいるのだが、ぜんぜん集中できない。何もしないくらいなら、と思い、昨日思いついた「可能−性」の議論の例を一つあげてみる。またか、という感じなのですがaikoに登場してもらいます。『蝶々結び』より。出典はこちら。 この歌の中には…

■何かが「できる」状態を、それとして捉えるのは難しい。例えば英語が「できる」とかよく眼が「みえる」とか。なぜかと言えば、それができる本人は、もうすでにできているのであって、たとえそれがある特殊な訓練の賜物によって上達したものであったとしても…

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■誰かの口癖というのは、他人に二つの形で影響をあたえる、一つはその口癖をだれかにうつすということ。もう一つ重要なのは、他人からその言葉を奪ってしまう、という効果。普段普通に使っているはずの言葉が、他人の口癖として意識されることによって、使え…

■宇多田ヒカルの「Keep Tryin'」のPVをみて、何か違和感があるなとおもった。基本的にこの人のことを知らないし特に最近のことはよく分からないのだが 、例えば「sakura drops」や「光」 などと比べてみる限り、歌い方やサウンドはほとんど変わっていないよ…

■ハーバードミュージアムにて開催されている"Frank Stella 1958"は小規模ながらも重要な展覧会だと思う。僕らはしばしば記念碑的作品というものをあたかも、ある固定化した歴史の中の必然的な産物として捉え、それが生み出されるまでの作家個人の作品展開を…