グループショウへ向けて

例えば五年前、僕は20歳そこそこだったわけで、自分で作品を作ろうと言う気持ちがある程度しっかりとした形で芽生えたのはこの頃だと思う。なぜかかなりの幸運に恵まれていたのだと思うけれど、いろいろな機会を与えられて展覧会をしたり、それを記事にしてもらったりしていた。でも、そのころニューヨークで展示が出来るなんて考えてもいなかったと思う。というか、アメリカなんてどうしようもないとその頃思っていたし、今もそう思っている。とはいえ、自分が、グループショウという形とは言え、歴史のあるギャラリーで展示をするとなると、なかなか興奮してしまう。展示のイメージは完璧に出来てる。3ミリくらい浮遊感のある展示、僕がMITやMOMAにて研究した展示技術がイカンナク発揮されるだろう、あとは作品つくるだけだ!はは。どうやらオープニングにはものすごい数の人が見に来るみたい。MITで話すと「すげえ、オープニングに行くよー」という事になる、「来てよー」と返事する。こんなチャンスはニューヨークに在住しててもなかなか手に出来るものではない、パーフェクトな展示のイメージ。で、あとは作品が出来るだけなんだって!


そういうわけで、制作モード全開の日々ですが、僕は手を休めて作品を客観視する際、いろんな作家を召喚する。ツートップはもちろんマティスセザンヌ、時には前田青邨小出楢重を交えつつ、カラヴァッチオも遠路はるばる来たりする。僕的にはカラヴァッチオは心優しい大男って感じ(意外に遠慮がちなヤツでもある)。最近はスルバランがよく顔を見せるし、マネとベラスケスが彼に同伴してきたりと、なかなかにぎやかなのだ。今日は久々にドガ君を召喚してみた。で何をするのかと言えば、「おまえだったら、これからどうする?」と(基本、タメグチ)。でドカ君はあーだこーだ、と答える。で僕は「まあ、君ならそうするだろうけどねえ」と一蹴!結局はまた孤独に作る事になるのだった。おわり。