MOMAにて、マティス

■モロッコ旅行の影響色濃い作品。大体、横2メートル、縦1.3メートルくらい。右下にはモロッコ人、左上にはモスクが見える。この作品では真っ白な絵具が聴いていて、ほとんど浮遊している。モロッコ人の頭部、中央上部の植物のストライプ、その隣の建物を縁取る斜めの線、画面左上の複数の線、そして中央下部に描かれた格子状の模様。例えば右上の薄いベージュに乗せられる黒の線がいかにもマティス的なキレのある感じで描かれるのに対し、白いラインは野暮ったく、ボッタリ塗られている。黒い背景が中央で画面を分断し、左上、左下、右、と三つの異なる平面が、三つの絵のようにバラバラに存在するようにも見える。モスク、左下の果物のそれぞれ一部に塗られたピンクが、辛うじてこれらを一枚に繋げる。


セザンヌ展の原稿を推敲、明日にはメールで送信できるだろう。この文章をきっかけにして、もしも一人でも、フランスでの展覧会に行こう,
と考えてもらえれば素晴しいな、と思うけれど。