ニューヨーク

明後日から二日か三日ほどニューヨークに行く予定にしていて、一番の目的は渡辺真也企画のアクション・ペインティング・ストリート・バトル! 篠原有志男 VS 勝間陵賀を観戦にゆくことだ。メジャーな展覧会をチェックしていたのだが、どこもいまいちパッとしない。MOMAムンク展を終えたばかりで(興味ないから行かなかった)大きな企画展はやってないし、グッゲンハイムも次のザハ・ハディドまでは常設のみ。ホイットニーはろっくでもないバイエニアルを未だにやってやがるし(二回も行って、レヴューまで書いたけど)、メトロポリタンも面白そうな特別展はない。ダンス関係も調べたけどたいしたものはやってなくて、六月にはマーサ・グラハムがやるけど、今更感もあるし。


こういう時は、久しぶりのフリック・コレクションやモマ、メトロポリタンの常設をたっぷり時間をかけて観るというのが、最も充実した時間を過ごせる。これらは実はニューヨークとかボストンとかに在住の現代美術関係者も意外にちゃんと見てなくて、どこが何をもってるかもみんな全然知らないし、というか美術史自体を全然知らない人がかなり多い。"Frank Stella 1958"という展覧会がハーヴァードのミュージアムであって、その重要性をキュレーション系の学生と話していたら「え、あの黒いストライプのって重要なの?」みたいなことになって、こいつ大丈夫かよ、とか思ってしまった。他にも同じようなことは何度か経験している、「リキテンシュタインのブラッシュストロークってどんなの?」とか、もう笑うしかないよねえ。評価するかしないかは別としても、美術史上の位置づけくらい知っとけっての。