以下のシンポジウムに参加します。
http://bijutsuken.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-9638.html

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「美術犬(I.N.U.)」 第一回企画
シンポジウム「美術」
開催のお知らせ

■開催趣旨
 「美術」とは何でしょうか。とりわけ現代美術をとりまく今日の状況を見渡すと、前世紀から今日へと至る「美術」というジャンルの領域確定の崩壊と拡張は、今更声高に述べるまでもなく進行し、美術作品は様々な様相を呈している現状です。そこでは、写真、映像、身体、インスタレーションといった様々な表現の媒体や様態、あるいは、エスニシティー、ネーション、ジェンダーのような社会的諸制度に関する条件が、美術作品の制作・読解双方において、重要なものとして話題の俎上に上げられます。それは、美術というジャンルをきっかけとして、いかにも現代的な諸問題をテーマとしているかのように見えます。このことは、美術を世界に対して開かれたものとするための方便、換言するならば、グローバリゼーションの必然的な要請であるかもしれません。

 しかしながら、そのような多様な「開かれ」を、アートワールドの内部において言祝いでいる一方、今日の情報環境を下部構造とした文化の隆盛を鑑みるならば、「美術」がいかにも旧弊な閉域へと陥っていることを、事実として認めざるを得ないでしょう。このことは、今日なお生産され続けている美術作品のみならず、美術についての様々な言説もまた、同様の閉域において空転しているように見えます。

私たちは「美術」というジャンルそのものの意味や意義について考えることを、あまりにも蔑ろにしてきたのではないでしょうか。今日、「美術」という概念そのものを考察の主題とすることは、あまりにもナイーヴに見えるかもしれませんし、高級文化と大衆文化の領域確定が不可能である今日においては、あまりにも反動的な主題に過ぎるかもしれません。しかし、今日「美術」がそれでもなお存在しているのは事実であり、「美術」とは何か、「美術」はいかなる意義があるのか、あるいはそもそも「美術」などは今日必要とされていないのであろうか、といった問題について考えることは、美術の生産活動に関わる限りにおいて、無意味な問いではあり得ません。「美術犬(I.N.U.)」主催による第一回企画である本シンポジウムでは、「美術」という言葉そのものを主題として、一線で活動する美術家、評論家による討議空間の創出を目論むものです。このあまりにも直截的な主題による討議を第一歩として、継続的な言説空間の創出へと開かれる一助となればと考えています。


■開催要項

「美術犬(I.N.U.)」 第一回企画 シンポジウム「美術」
日時:2009年2月11日(水・祝) 14:00〜17:00
会場:BOICE PLANNING
主催:美術犬(I.N.U.)
パネリスト:青山悟 (美術家)
      池田剛介(美術家)
      田中功起(美術家)
      雨宮庸介(美術家)
      土屋誠一(美術批評家)
入場料:500円(予約不要・直接ご来場ください)
アクセス:
BOICE PLANNING(神奈川県相模原市相原5-12-47-2F TEL042-770-5217)
http://www.geocities.jp/boice_planning/access.html
京王線JR横浜線「橋本」駅下車、北口バスターミナルよりバス「三ヶ木行き」約7分、「森の上」下車徒歩約2分

■予告
「美術犬(I.N.U.)」 第二回企画 シンポジウム「絵画」
日時:2009年4月中旬