北斎とか

kosuke_ikeda2006-05-09

スミソニアン博物館はサックラーギャラリーでの"Hokusai"展のカタログが届いた。実はこの展覧会を見ながら、北斎とほぼ同時代の画家、ターナーを思い出していた。で、さらに今、そのことを思い出したから、この二人を並べて論じているのってあるのかな,と思い検索をかけたらこういう超怪しげなサイトで言及してあって、ちょっと落ち込んだ。その他にもドビュッシーが両方に影響を受けた、とかhttp://www.tcd.ie/Music/JF%20History/debussy.html、まあそういうのもある。

でも、ヴィジュアル的な共通性を超えて重要なのは、この二人が同時期にロマン主義的な崇高の問題を扱っていて、そこを経てこそクールベや、あるいは日本では高橋由一などのような、何の変哲もない単なる「もの」を描くリアリズムが登場する事になる、という更なる展開を踏まえた上での一致だろう。この日本と、西洋とにおける歴史展開の一致を見る事で、リアリズムの条件、さらにはモダニズムの一条件を明らかにする,という視点は可能性としてあるのではないかと思う。


■ハーヴァードにてキアロスタミ「そして人生は続く」(1992)。映画冒頭、トンネルを抜けた後の車の窓からの水平に流れるショットがゴダールの「ウィークエンド」を彷彿とさせる。


■今日は、MIT PRESS BOOK STOREでのセールがあって、欲しかった本が相当に安く買えてしまった。Robert Smitson --Learning from New Jersey and Elsewhere / Ann Reynolds (MIT PRESS), Painting as Model / Yve-Alain Bois (MIT PRESS), The Claude Glass / Arnaud Maillet (Zone Books), Neo-Avantgarde and Culture Industory / Benjamin H. D. Buchloh (MIT PRESS), Invention of Hysteria / Georges Didi-Huberman (MIT PRESS)、すごい事に、一冊だけ7ドルで後は全部5ドルになっていて、この五冊で22ドル、2500円くらいで、定価一冊分もしなかった。というか定価が高すぎるんだけども。