大回顧展 モネ

新美術館にて「異邦人たちのパリ」、「モネ」展。モネはアメリカでもずいぶん見ていたので、今更何か発見あるかしらと不安だったけど、かなり楽しめた。一応平日とはいえGWなのでものすごく込んでいて、今日来るんじゃなかったなーという感じで、最初は近づいて見るような気にもなれなかったのだけれど、ぱらぱらと見ているうちに、いくつか質の高い作品に興味が引かれ、結局長居していた。国内外から100点近く集まっていて、国際的な水準から言っても質・量ともになかなかなもの。もう少し重点的に、睡蓮なら睡蓮、反射なら反射という感じで集めてきて、さらにそこで展示的に一工夫あれば、全体もシマるのだろうけど。


セクションは大きく五つ(近代生活、印象、構図、連作、睡蓮/庭)に分かれ、それぞれにさらに細かな枠組みが用意されていたりするのだけれど、あまり深い意味はなさそうだ。ほとんど見たまんま「似ている」作品がいくつかグループ分けされている、といった程度で、全体としてのコンセプトがあるという訳でもない。こういう時、企画としてのコンセプトの無さ、みたいなのって、何となく物足りなく思ったりもするけれど、アメリカであってもこういう大家の大回顧展のときには、意外と大したコンセプトは無かったりする。ただし違うのは、かなり細かなアカデミズムの議論と最新研究をふまえた分厚い(、で値段も高い)カタログがアメリカの方では必ずある、ということだろうか。少なくとも展示を見ている限り、そんな事は気にならないし、逆に言えば六本木のような場所で正しく啓蒙的な展示形式がとられているとも思う。ついでに言えば、五つのセクションを巡るその途中には、「モネの遺産」と称して、何らかの形でモネとの関係が見て取れる現代美術の作品も展示してある(筆触というキーワードでポロック、リヒターみたいな)。一応モネとは部屋を隔てて住み分けをしつつ、印象派目当てのおばさんたちにとっての現代美術入門としても機能しているようで悪くない。


いくつか気になる作品があったので、近いうちに書き留めておきたい。


そういえば、水戸のマイクロポップ展、来週日曜日までだった。行かないと...