2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

■誰も知らないシスムゼミという変な名前の勉強会を僕は学部の頃から続けていて、実は僕が渡米している間も続けてもらっています。今期の初日の情報は以下。 日程:5月10日(水曜日) 17:00 場所:東京芸術大学音楽学部学生会館2F小集会室 テキスト…

■ここ二、三日、しばらく中止していた作品制作を再開していて、外でわけの分かんないっぽい機材を広げて撮影しているから結構たくさんの人が寄ってきて、何してるのか?って聞かれる。そもそも時間のかかる撮影で、まあそんなにずっと集中してないといけない…

未遂性と既遂性 with English version

■谷崎潤一郎の「呪われた戯曲」を読みながら、嘘をつくということと誤摩化すということとは違うのだなあ、と何となく考えていた。嘘をつくというのは事実とは別の次元の何ものかを作り出し、事実を覆い隠す。他方で、誤摩化すという行為はある程度事実を語り…

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■旅行気分もようやく落ち着き、セザンヌ展から受けまくった感銘の醒めやらぬうちに制作を進めようと思うのだが、ぽかぽかとあったかく、ボストンの長い冬を経験した身にとって、これほど幸福感をかき立てられるものもなく、こめかみの辺りが霧がかったように…

■ニューヨークにて奥村雄樹さんの家に泊めてもらう。奥村さんはACC(Asian Curtural Council)から助成を受け、ロケーションワンというレジデンスプログラムに参加されているわけだが、メチャメチャいい場所、いいアパートに住んでいて、聞いてみるとそれはAC…

■昨日の日記で書いた通りに、朝からナショナルミュージアム、ランチの後、ハーシュホーンにて杉本博司、サックラーにて北斎展、その後フリーアギャラリーへ。これも予告通りですが、クタクタです。 というわけで、ほぼナショナルミュージアム、スミソニアン…

「自由に描け」という背反

■朝からナショナルギャラリー東館へ。こちらでは近現代美術を扱っているのだが、異常な充実ぶりに驚いた。特にポロックを始め、バーネット・ニューマン、マーク・ロスコ、クリフォード・スティル、ロバート・マザウェルなどの抽象表現主義をかなり持っている…

■朝からナショナル・ギャラリーへ。午後からセザンヌ展。大充実の展覧会、いや展覧会としてどうのと言うより、とにかくセザンヌってすごい、っていう。セザンヌ見ないでその後、新しい作品なんか作れっこない。アートスクールでどうでもいい授業をするよりは…

■ワシントンD.C.へ。スミソニアン美術館でフェローをしている加治屋健司さんと夕食を食べ、アメリカでの研究事情など伺う。

■今日は、メトロポリタンにて「迫真性」についてぼんやり考えていた。具体的にはレンブラントの『ホメロスの胸像を眺めるアリストテレス』とベラスケス『フアン・デ・パレーハ』を見つつ。どちらもメトロポリタンヨーロッパ絵画セクションの代表作と言えると…

■NYのノイエギャラリーにて「クレーとアメリカ」展。良い作品が沢山あったのに、ホームページで見られないのは残念。 絵画のフォーマルな問題設定として線と色の対立がある。で、これはフォーム(形質)とマター(素材)という対立に置き換えられる事になっ…

■ホイットニーバイエニアルの校正もパキッと終えて、明日から二日間ニューヨーク、それから三日間ほどワシントンD.C.へ行く予定。しかし、アメリカでこんなに自由に時間とお金を使える機会なんてそうそうあるもんじゃないだろうな、と。その分ちゃんと生産に…

■フォッグ美術館(ハーヴァード)へ。pict-randumにも追加しておきます。 マネの絵の中のこのコ、小さな女の子プルシラに似てるなあ。 I went to the Fogg Museum (Harvard), add to pict-randum. The girl in Manet's painting is similar to little Prusci…

■ボストン美術館へ。pict-randumにも追加しておきます。

■僕が勝手に敬愛する中谷礼仁さんがアセテートのブログにて童話/日記を紹介してくれている。「持久戦の時代」っていうのは、実感するし勇気づけられる。最近の若者の持久力不足は顕著だし、ブログにしても始める人は多くてもみんな続かないからなあ、書きた…

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■ある「有名」な日本人アーティストのホームページで、こういうような事が書いてある。世の中には情報があふれていて、みんなそれに飢えてて一生懸命になってるけど、どうなの?みたいな。結論としては、沢山の情報を知っててもダメで、自分らしくその情報に…

■昨日のことだが、ハーヴァードにて『羅生門』(1950)。 何というかこの映画には奇妙な平たさがある。雨宿りをしながら事件の経緯を語り合う男達は、雨の降る羅生門の下、前へも後ろへも行けない。検非違使庁にて行われる盗賊の三船敏郎、殺された侍の妻・…

■今回のホイットニーバイエニアルについての原稿をまとめながら、気持ちはワシントンのセザンヌ展へ向かっている。小林秀雄『近代絵画』「セザンヌ」の章をパラパラめくり、この批評家の芸術的感覚の鋭さに驚く。今、こういう類いのシャープさを持った批評家…

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■ハーバードの近くのBrattle Theatre にて勅使河原宏「砂の女」。以前観たのはもう三年が四年か前になるので、いろいろなシーンを忘れている事に気付かされたのだが、結構いろんな事が映画の中で起っているんだなあ、と思った。女を縛り上るとか、自力で脱出…